計算論的精神医学―情報処理過程から読み解く精神障害
- 国里 愛彦/片平 健太郎/沖村 宰/山下 祐一【著】
精神疾患のモデルに機械学習をモデルを適用したアプローチである。勁草書房から出ている
という点が面白い。ニューラルネットワークは神経細胞のをモデル化したものだが、それを精神疾患に適用できるのか?心の哲学に
意識のハードプロブレムというものがある。心と脳の問題に及んでくる問題である。
研究室
出版社HP
目次
まえがき第1部 理論編第1章 精神医学の基本問題 1.1 はじめに 1.2 疾病分類学の問題 1.3 バイオマーカーの問題 1.4 説明のギャップ(異なるレベル間を橋渡しする理論の不在)の問題第2章 計算論的アプローチ 2.1 はじめに 2.2 Marr の3つの水準 2.3 計算論的精神医学 2.4 計算論的アプローチの利点 2.5 計算論的心身医学と計算論的臨床心理学第3章 計算論的精神医学の方法 3.1 計算論的精神医学と生成モデル 3.2 計算論的精神医学で用いられる生成モデルと研究方法 3.3 生物物理学的モデル 3.4 ニューラルネットワークモデル 3.5 強化学習モデル・ベイズ推論モデル 3.6 計算論的精神医学の方法論の洗練化に向けて第2部 方法論第4章 生物物理学的モデル 4.1 はじめに 4.2 神経系,ニューロンの概要 4.3 代表的な生物物理学的モデルの説明第5章 ニューラルネットワークモデル 5.1 はじめに 5.2 ニューラルネットワークモデルの動作原理 5.3 ニューラルネットワークモデルの学習 5.4 時系列情報を扱うニューラルネットワークモデル:リカレント・ニューラルネットワーク(RNN) 5.5 連続時間型リカレント・ニューラルネットワーク(CTRNN) 5.6 多時間スケールリカレント・ニューラルネットワーク(MTRNN) 5.7 初期値敏感性,パラメトリックバイアス,トップダウン的予測とボトムアップ的修正 5.8 適応行動の計算理論「予測符号化」・神経ロボティクス第6章 強化学習モデル 6.1 はじめに 6.2 行動価値にもとづく強化学習モデル 6.3 行動データからの強化学習モデルのパラメータ推定 6.4 状態価値に基づく強化学習モデル 6.5 強化学習モデルにおけるモデル選択 6.6 状態遷移,遅延報酬を扱う強化学習モデル 6.7 TD 学習 6.8 モデルフリー強化学習とモデルベース強化学習 6.9 強化学習とその神経基盤第7章 ベイズ推論モデル 7.1 はじめに 7.2 ベイズ推論 7.3 カルマンフィルター 7.4 階層ガウシアンフィルター 7.5 自由エネルギー原理 7.6 おわりに第8章 疾病分類・研究方略への計算論的アプローチ 8.1 はじめに 8.2 現状の疾病分類・研究方略 8.3 計算論的精神医学による疾病分類・研究方略への貢献 8.4 展望第3部 精神疾患への適用事例第9章 計算論的精神医学の具体的研究事例 9.1 統合失調症の計算モデル研究 9.2 気分障害の計算モデル研究 9.3 自閉スペクトラム症の計算モデル研究 9.4 強迫性障害の計算モデル研究 9.5 心的外傷後ストレス障害の計算モデル研究 9.6 物質使用関連障害の計算モデル研究第10章 生物物理学的モデルを用いた計算論的精神医学研究 10.1 はじめに 10.2 ニューロン群の持続的活動の解析研究 10.3 Rolls らのアトラクターネットワークモデルによる研究 10.4 脳のラージスケールシステムのモデル研究第11章 ニューラルネットワークモデルを用いた計算論的精神医学研究 11.1 はじめに 11.2 ニューロン新生とうつ病 11.3 シナプス刈り込みと幻覚・妄想 11.4 ニューロンゲインと文脈的情報処理の異常とドーパミン 11.5 階層的な神経回路の階層間の機能的結合の異常と統合失調症の病態メカニズム 11.6 予測精度の推定とその失調としての精神障害第12章 強化学習モデルを用いた計算論的精神医学研究 12.1 統合失調症と強化学習モデル 12.2 薬物依存と強化学習 12.3 うつ病のアンヘドニアと強化学習 12.4 双極性障害と強化学習 12.5 モデルベース強化学習・モデルフリー強化学習のバランスと精神障害 12.6 抑うつとモデルベース強化学習 12.7 恐怖学習と強化学習モデル第13章 ベイズ推論モデルを用いた計算論的精神医学研究 13.1 ベイズ推論モデルの精神障害への適用 13.2 統合失調症のベイズ推論モデル 13.3 感覚の減衰と能動的推論 13.4 幻聴と階層ガウシアンフィルター 13.5 自閉スペクトラム症のベイズ推論モデル 13.6 自閉スペクトラム症の視覚弁別と階層ガウシアンフィルター 13.7 まとめ付録参考文献索引著者紹介