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全集読みをやろうと思う。
安部公房全集〈1〉1942.12‐1948.5
小林秀雄は、以下のように読者に全集の通読を勧めます。
「或る作家の全集を読むのは非常にいい事だ。研究でもしようというのでなければ、そんな事は全く無駄事だと思われ勝ちだが、決してそうではない。読書の楽しみの源泉にはいつも『文は人なり』という言葉があるのだが、この言葉の深い意味を了解するのには、全集を読むのが、一番手っ取り早い而も確実な方法なのである」
名文に満ちた「読書について」の中でも、以下の一文は特に心に沁みます。「書物が書物には見えず、それを書いた人間に見えて来るのには、相当な時間と努力とを必要とする。人間から出て来て文章となったものを、再び元の人間に返す事、読書の技術というものも、其処以外にはない」
安部公房全集1を横目に見ながらハイデッガーの講義録(ニーチェ)と木田元の本を読んでいる。寄り道をしながらもいいかもしれない。
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