『46歳にてアフリカの小国ルワンダの中央銀行総裁に突然任命された日銀マンが悪銭苦闘しながら超赤字国家の経済を再建しつつ国民の生活環境を向上させた嘘のような実話。』
日頃、機械学習関連やSF系が多いので、このようなスケールの大きい仕事の本を読むことも面白い。1965年とかなり昔だが、明晰な著者の話は古さを感じさせない。この本を読むきっかけは、エンジニアのブログで『文章が美しい』と感想があったためである。
ルワンダ国民の農業生産を主とする収益とし、外国人居住者に有利な経済制度や通貨制度をあらため、ルワンダ国民のための経済体制を築いていく。
経済への立て直しの基礎を築き、最期にルワンダ人自身が国を動かしていくべきという信念のため総裁の地位を去っていく。
送別会の席上で、大統領の懺悔師から
『我々外国人に対して、あなたが教えてくれたことは、ノーといってもルワンダ人と友達になれるということです。あなたはたびたびノーと言いいましたから。』
と言われる。
その後、ルワンダは飛躍的な経済発展をとげたが、1994年のルワンダ動乱で多数のルワンダ人が殺され、知人の政治家も殺されていく....
ルワンダ中央銀行総裁日記 [増補版] (中公新書)